NISAは、増えた分に税金がかからない口座です。この記事で説明するのは、大人が使うNISAです。普通の口座、つまりNISAではない証券口座なら、増えた分に約20%の税金がかかりますが、NISAの口座なら、増えた分がそのまま手元に残ります。口座は1人1つで、その中につみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠があり、一生のあいだに非課税で持てる上限があります。購入するのは投資信託や株などです。証券会社や商品によっては月100円から始められて、いつでも引き出せます。こどもNISAは、この仕組みの子ども版です。いちばん違うのは引き出せる時期で、こどもNISAの口座から引き出せるのは、原則として、高校を卒業する年の1月1日からです。
NISAの口座は、普通の口座と何が違う?
入れたお金が増えたとき、その増えた分に税金がかからないのがNISAの口座です。普通の口座で株や投資信託(多くの人のお金をまとめて運用する商品)を売って増えた分や、受け取った配当や分配金(投資信託から受け取るお金)には、約20%の税金がかかります。NISAの口座なら、この税金がかかりません(国内の株の配当は、証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選んでいる場合に限ります)。
たとえば、100万円増えたとします。普通の口座なら約20万円が税金で、手元に残るのは約80万円です。NISAの口座なら、100万円がそのまま手元に残ります。
2024年からのNISAでは、税金がかからない期間に、いつまで、という期限がありません。
2026年9月時点では、NISAの口座を開けるのは、日本に住んでいて、その年の1月1日に18歳以上の人です。NISAの口座は、1人につき1つです。銀行でも証券会社でも開けますが、どこか1つを選びます。申し込むと、その銀行や証券会社が、ほかの金融機関でNISAの口座を持っていないかを税務署に確認します。NISAの口座を開く金融機関は、あとから年単位でなら変えられます。変え方の決まりは、この記事の「よくある質問」に書いています。
NISAの枠は2つ。何を購入できて、一生でいくらまで?
NISAの口座には、枠が2つあります。1つは、つみたて投資枠です。国が長期の積立と分散投資に向くと認めた投資信託を、毎月コツコツ積み立てる枠です。もう1つは、成長投資枠です。S&P500などに連動する投資信託も購入できますし、アメリカや日本の会社の株(個別株)も購入できる枠です。つみたて投資枠は、積み立てる金額と日にちを先に決めておく方法だけですが、成長投資枠は、積立もできますし、購入するタイミングを自分で選ぶこともできます。同じNISAの口座で、両方を使えます。1年に入れられる額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合わせて360万円です。
この額は、ここまで入れられる、という額であって、目標ではありません。月5,000円でも、月1万円でも、かまいません。
私は、毎月の積立とは別に、S&P500や全世界株式に連動する投資信託をまとまった額で買い増したい時に、成長投資枠を使うことがあります。
一生のあいだに非課税で、つまり税金がかからないまま持てる上限は、1,800万円です。これを非課税保有限度額といいます。この記事では、一生の上限と書きます。1,800万円のうち、成長投資枠で持てるのは1,200万円までです。つみたて投資枠だけで、1,800万円を埋めることもできます。
一生の上限の1,800万円に数えるのは、買値です。買値とは、購入したときの金額のことです。売った商品があれば、翌年に、その買値の分が一生の上限に戻ります(売った年の年間の枠は戻りません)。
たとえば、月1万円を10年積み立てたとします。買値は120万円です。一生の上限は1,800万円なので、残りは1,680万円です。この10年で150万円に増えていても、数えるのは120万円です。100万円に減っていても、数えるのは120万円です。全部売れば、翌年に120万円の分が一生の上限に戻ります。
こどもNISAで購入した分も、この1,800万円の中で、買値で数えます。どう引き継がれるかは、「18歳になったらどうなる」の記事に書いています。
NISAで購入する投資信託は、減ることもある?

NISAで購入する投資信託は、入れたお金より減ることもあります。ただ、このあと見る2本の投資信託は、これまで、減った年より増えた年のほうが多く、長い目で見れば成長してきました。
つみたて投資枠で購入できる投資信託の例を、5本だけ挙げます。金融庁の対象商品のリストに載っているものです。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
どれもS&P500や全世界の株など、指数(たくさんの会社の株の値動きをまとめたもの)に連動する投資信託です。例であって、この中から選んでください、という意味ではありません。
投資信託は、預貯金より高いリターンを期待できます。実際にどう動いてきたかを、上の5本のうち2本で見てみます。
1つは、S&P500(アメリカの大きな会社の株の値動きをまとめた指数)に連動する、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。2018年7月に運用が始まり、最初の日の値段は1万38円でした。それが2026年8月末には4万5,408円、約4.5倍になっています。もう1つは、全世界株式(世界中の会社の株の値動きをまとめた指数。オールカントリーとも呼ばれます)に連動する、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。2018年10月に運用が始まり、最初の日の値段は1万円でした。それが2026年8月末には3万8,905円、約3.9倍です。
ここまで増えたのは、この8年で、中に入っているアメリカや世界の会社の株の値段が上がってきたからです。投資信託の値段は、中に入っている会社の株などを、その時々の値段で評価して決まります。
ただし、毎年増えたわけではありません。年ごとに見ると、次のようになります。2018年は運用開始の日から年末まで、2019年からは前年末から年末までの増減です。
| 年 | S&P500に連動する投資信託 | 全世界株式に連動する投資信託 |
|---|---|---|
| 2018年(始まった年) | −8.0% | −7.5% |
| 2019年 | +30.5% | +26.8% |
| 2020年 | +10.3% | +9.0% |
| 2021年 | +44.5% | +32.7% |
| 2022年 | −6.1% | −5.6% |
| 2023年 | +34.6% | +30.4% |
| 2024年 | +40.8% | +32.5% |
| 2025年 | +15.7% | +20.5% |
8年のうち、減った年が2年、増えた年が6年です。年の途中で大きく下がったこともあります。月末の値段で比べると、2020年の初めから春にかけて、どちらも2割ほど下がり、いちばん下がった月から元の値段に戻るまで5か月かかりました。2025年の春にも、S&P500に連動するほうは16%ほど、全世界株式に連動するほうは12%ほど下がり、いちばん下がった月から戻るまで3か月かかっています。
減る年に備えて、自分でできることが2つあります。1つは分散です。たくさんの国や会社の株を1つにまとめた投資信託なら、どれか1つが下がっても、全体の値動きはある程度抑えられます。もう1つは、やめずに積立を続けることです。毎月同じ額を積み立て続けると、値段が高いときにだけ購入することを避けられます。
下がったときに減った分が確定するのは、売ったときです。売らずに持っているあいだは、値段が戻れば減った分も戻ります。値段が高かった年から積み立てを始めていたらそのあとどうなったかは、値下がりした年の記事に書いています。
減るのが気になるなら、値動きを見ない、という方法もあります。細かな毎日の値動きに気を取られず、コツコツ積み上げていくほうが続けやすいからです。
NISAにいくら入れると、どうなる? 0歳からと18歳から、満額を入れたあとは?

いまのNISAは18歳からですが、2027年1月からは、こどもNISAで0歳から積み立てられます。こどもNISAの制度の全体は、制度解説の記事にまとめています。
では、0歳から18歳までの18年、毎月の積立額で、先の結果はどれくらい違うのでしょうか。次の表は、年率5%と8%が18年続いた場合の当サイトの計算です。毎月末に積み立て、月ごとの複利で計算しています。あくまで前提を置いた計算で、実際の値動きは毎年違います。元本の欄は、一生の上限の1,800万円のうち、どこまで使ったかです。
| 毎月の積立額 | 18年の元本/一生の上限 | 年率5%が続いた場合 | 年率8%が続いた場合 |
|---|---|---|---|
| 5,000円 | 108万円/1,800万円 | 約175万円 | 約240万円 |
| 1万円 | 216万円/1,800万円 | 約349万円 | 約480万円 |
| 3万円 | 648万円/1,800万円 | 約1,048万円 | 約1,440万円 |
| 5万円 | 1,080万円/1,800万円 | 約1,746万円 | 約2,400万円 |
こどもNISAで非課税のまま持てるのは、買値で600万円までなので、月3万円と月5万円の行は、親のNISAで積み立てた場合の計算です。
18歳までに積み立てた分は、大学などの教育資金や、子ども自身がそのあと使う資金になります。こどもNISAの口座は、1月1日の時点で18歳以上になった年から、大人のNISAの口座になり、そのまま続きます。
大人のNISAの口座になってからは、一生の上限の1,800万円まで入れられます。何年で埋めるかでも、先は違います。つみたて投資枠は1年に120万円までなので、毎月同じ額を入れるなら月10万円で、15年で1,800万円に届きます。成長投資枠も使えば1年に360万円まで入れられるので、最短5年で埋められます。次の表は、1,800万円の枠をまだ使っていない状態から、5年・10年・20年・30年で埋め、そのあとは入れずに持ち続けた場合に、積み立てを始めてから30年後にいくらになっているかです。5年で埋めた場合は、残りの25年は入れずに持ち続けた結果で、30年で埋めた場合は、埋め終わった時点の額です。これも、年率5%と8%が30年続いた場合の当サイトの計算で、計算のしかたは上の表と同じです。
| 1,800万円を埋める年数 | 毎月の額 | 始めてから30年後(年率5%) | 始めてから30年後(年率8%) |
|---|---|---|---|
| 5年 | 30万円 | 約7,102万円 | 約1億6,180万円 |
| 10年 | 15万円 | 約6,318万円 | 約1億3,520万円 |
| 20年 | 7万5,000円 | 約5,077万円 | 約9,806万円 |
| 30年 | 5万円 | 約4,161万円 | 約7,452万円 |
5年と10年は、成長投資枠も使う場合の計算です。同じ1,800万円でも、早く埋めるほど、運用する期間が長くなります。大人のNISAでの積立は、節目ごとに要る大きな買い物のための資金や、長い目で見れば老後の資金として育てていけます。
大人のNISAには、いつまで引き出せない、という定めがありません。持っている投資信託や株を売れば、その代金をそのまま受け取れます。ただし、売った時点で減っていれば、その減った分は戻りません。
こどもNISAは、ここが違います。引き出せるのは、原則として、高校を卒業する年の1月1日からです。くわしい決まりは、引き出し制限の記事に書いています。

親のNISAの一生の上限の一部を、子どもの教育資金にあてる、という選び方もあります。
親自身のNISAの始め方は、私が使っている楽天証券を例に、次の記事で書きます。
こどもNISAと大人のNISAは、仕組みが共通です。親が自分のNISAの口座で得た経験は、こどもNISAの口座でも生きます。
私は、NISAを、日本、世界、経済、お金を学ぶことができる、誰でもできる最初の投資行動だと思っています。最初は少額でかまいません。つみたて投資枠で、中身の分かりやすいインデックスの投資信託から始めて、慣れてきたら自分の判断で額を増やしていく。そのうちに株や世界の経済に興味が出てきて、これから伸びそうな分野や、自分が応援したい分野が見えてきたら、成長投資枠を使って、その会社の株を購入して応援しながら資産を育てていく。そういう道もあります。なるべく早い段階で始めた方が良い。それが、このブログの考え方です。
よくある質問
- NISAは、いくらから始められますか?
-
制度に、最低いくらから、という定めはありません。いくらから始められるかは証券会社によって違い、100円から積み立てられるところがあります。ただし、どの証券会社でも、どの投資信託でも100円から、というわけではありません。証券会社によっては、100円または1,000円から、という決まりです。同じ証券会社でも、商品によっては1,000円以上や1万円以上からのものがあります。始める前に、自分が使う証券会社と、購入しようとしている投資信託の最低額を確認してください。
- 昔のつみたてNISAや一般NISAとは、何が違いますか?
-
2023年までの制度です。つみたてNISAは1年に40万円で、税金がかからない期間は20年間。一般NISAは1年に120万円で、5年間。どちらか一方しか使えませんでした。2024年からは、同じNISAの口座で2つの枠を使え、税金がかからない期間に期限がありません。2023年までに購入した分は別枠で、非課税の期間は元のままです。一生の上限の1,800万円には数えません。
- 夫婦で、それぞれNISAの口座を持てますか?
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持てます。それぞれのNISAの口座に、年間の枠と一生の上限があります。夫婦で1つ、ではありません。
- NISAの口座を開く金融機関は、どうやって変えますか?
-
変えたい年の前の年の10月1日から、その年の9月30日までに、今の金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を出します。すると「勘定廃止通知書」が交付されるので、新しい金融機関に、その通知書と「非課税口座開設届出書」を出します。ただし、届出書を出す日までに、その年、今の金融機関のNISAの口座ですでに購入していると、その年分は変えられません。変えられるのは翌年からです。
- NISAで損をしたとき、税金で得することはありますか?
-
ありません。NISAの口座で出た損は、税金の上では無かったものとして扱われます。損と利益を相殺することを損益通算といいますが、NISAの口座の損は、普通の口座の利益と損益通算できません。
- 親がNISAをやっていなくても、こどもNISAは開けますか?
-
開けます。親のNISAの口座は、条件ではありません。ただし、証券会社によっては、子どもの証券口座を開くのに、同じ証券会社に親の証券口座が要ります。親の証券口座、子どもの証券口座、こどもNISAの口座の順番と、要る書類は、逆算カレンダーの記事に書いています。
出典を見る(17本)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る(確認日 2026-09-18)
- 国税庁 タックスアンサー No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(確認日 2026-09-18)
- 国税庁 タックスアンサー No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)(確認日 2026-09-18)
- 国税庁 タックスアンサー No.1535 NISA制度(確認日 2026-09-18)
- 租税特別措置法 第37条の14(2027年1月1日施行版)(確認日 2026-09-18)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト よくある質問(確認日 2026-09-19)
- 楽天証券 NISA(確認日 2026-09-18)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト つみたて投資枠対象商品 届出一覧(2026年9月18日更新)(確認日 2026-09-19)
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト 資産形成の基本(確認日 2026-09-18)
- 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)基準価額データ(設定来)(確認日 2026-09-18)/倍率・年ごとの騰落率・下落幅は当サイトで計算
- 三菱UFJアセットマネジメント eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)基準価額データ(設定来)(確認日 2026-09-18)/倍率・年ごとの騰落率・下落幅は当サイトで計算
- 資産運用業協会 基準価額と分配金(確認日 2026-09-19)
- 楽天証券 つみたて投資枠(確認日 2026-09-18)
- SBI証券 投資信託(確認日 2026-09-18)
- マネックス証券 投信つみたて(確認日 2026-09-18)
- 楽天証券 こども口座(未成年口座)(確認日 2026-09-18)
- 楽天証券 こどもNISAとは?(確認日 2026-09-18)
ネットで口座を開ける証券会社(親のNISA)
楽天証券
運営者が使っている証券会社
- 投資信託は100円から積み立てられる
- 楽天カードでの積立でポイント(カードと商品により0.5〜2%)
- 楽天銀行と連携(マネーブリッジ・無料)で、入出金を自動化できる
- NISAの取引手数料は無料。口座開設も無料
SBI証券
- NISAでは投資信託・国内株式・米国株式の取引手数料が無料(一部条件あり)
- 投資信託は100円から。クレジットカードでの積立でポイント
- 口座開設料・管理料は無料
松井証券
- NISAの口座では株式・投資信託の取引手数料が0円
- 投資信託は100円から。毎月・毎週・毎日から選べる
- 電話とチャットのサポート。口座はオンラインで最短即日
マネックス証券
- NISAの口座の売買手数料はすべて無料
- 投資信託の積立は100円から。クレジットカードでの積立はポイント還元率が最大3.1%
- 口座開設・維持費は無料
載せている条件は各社の公式ページで確認したものです(確認日 2026年9月18日。楽天証券は9月20日)。各社が変えることがあるので、申し込む前に公式ページで確認してください。こどもNISAの口座は、受付が2026年10月からです。
最終確認日: 2026年9月19日

